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想い出の渚

更新日:2月29日

ナギサは14歳。

母親と抱き合いながらご来店をいただいた。

泣き止まないママに席を外してもらうと

ナギサはわたくしに“塀の中にいる彼氏の出所を待っているんだ”と言った。

わたくしの前に来たら急に緊張したと言って、紫のハッピをいなせに脱いだ。

紺色のサラシ1枚になった胸元には威勢の良い男の名前が彫ってあった。

彫師の腕を褒めようとしたら元カレの名前だと言って慌てた。

その後、“公立高校に行きたいんだ”

と携帯をいじりながらつぶやいた。

わたくしは料金を告げた。ナギサは驚いたようだったが


“体裁だけしか考えてないアイツだったら喜んで払うよ”。


と店の外にいるママを見て顎でしゃくった。


ウチ、クラスの担任に


「お前みたいなクズが受験して、もしお前が受かりでもしたら

 真面目に勉強してきた生徒が1人落ちるんや」

って言われたんよ。


ウチのせいで落ちる子がおるかと思うと受験はやめた方がええのかと迷う・・・。


ナギサは合格した。

わたくしはヤンキーの勝負強さを信じている。


さて、今のはかれこれ16年前のお話。

公務員と結婚したナギサちゃんは現在31歳。


大きな声では言えないが

可愛いお孫さんが1人いらっしゃる。








おい、もう出ていいぞ

二度とここへは戻ってくるな。

気の毒やけど迎えは

誰も来てないな。


渚って女?


奇遇だなぁ...

女房と同じ名だ!

昔はヤンチャでねぇ

愛知県は名古屋本山のカバラ占いに行って

                 更生したんだよ。



              Rav(La vie!).Hiroaki Ohori

 

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