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猫のいる生活

更新日:2月29日

ミサヲちゃんはチャーミングな30歳。

情緒にかなり問題アリな女の子。

施設のみんなはミサヲ姐さんと呼んでいるそうです。

姐さんにはご両親がいらっしゃいませんでした。

ラッキーなことに15歳を越えても独り暮らしを強いられることなく

彼女は暖かい施設を生活の拠点にできていたということです。

今回のご紹介者は施設を運営する奥さま。

ミサヲ姐さんへの霊的治療のご依頼でした。

彼女は重度の喘息を患っていらっしゃったので...。

しかもここ最近は風邪も引いていて、たいそう苦しそうにしていると。

しかし、奥さまは本当のところを言うと、時おり姐さんがしてしまう

自傷行為の方を気に病んでいらっしゃるともおっしゃいました。

姐さんは自分の腕に傷をつけたり毛を抜いてしまったり。

あろうことか施設の陽だまりに集まる小動物を絶命するまでいたぶるんだそうです。

ミサヲ姐さんは彼女の出自から、誰とも心を通わせないと。

わたくしの側も、霊的治療はあまり会話も必要とはしませんし

患者さんの方でも霊界云々をお信じになってもならなくても

頓着することはないことをお伝えしておきました。

霊的治療の当日お会いしますと、

先週からダメ押しのように引いた風邪を押したミサヲ姐さんの方から

苦しい呼吸をしながらでもウィンクをして下さる好意を感じました。

奥さまとも姐さんとも同時に心を開いていただいたものと

勝手に気を許してしまっているわたくしがおりました。


霊的治療をさせていただくとすぐに、ご入店の際には立っていられないほど

苦しそうに息をされていましたが、1度うがいをするような声が出ると

楽になられたご様子でした。

施設の奥さまはすっかり安心なさって化粧室に立ちました。

少しの隙を見計らってミサヲ姐さんはわたくしをつかまえ

長いキスをして下さいました。まるで外国映画のようでした。

奥さまに知られてはまずいと思われたのでしょう。

彼女はそれから一言も声を出しませんでした。

肩をすくめて逃げ出すように店舗前に停めた施設車まで走り去ってしまわれました。

奥さまも同時に彼女の非礼を詫びてお帰りになりました。


その翌日のことです。

奥さまから次のようなご連絡をいただきました。

姐さんは元気になられ、

施設の同居の方々とランニングに出かけるようになったとのことでした。

フィジカルになられた姐さんの写真まで送って下さいました。

写真の中の同居の方々もそれぞれ上から下まで健康的で真っ黒なお姿でした。

姐さんの多少ひがんだような表情は残っていましたが

まぁまぁ、おおむね良好といったご様子でした。

事態が急変したのは、その日の夜のことでした。


姐さんが急死なさったとのことでした。

わたくしの霊的治療が原因である。

奥さまは声を荒げてそうわたくしに言いました。


駆けつけたい気持ちを申し上げましたが、施設のスタッフの

方々は誰も“オカルト”なんぞ信じちゃいないので

わたくしに顔を出されても困るのだそうです。

先方さんは、わたくしがやっと口を突いて出たお悔やみの

言葉の途中で受話器をお切りになりました。


―あなたがのたまう霊的治療とやらは弱い者には強すぎるんです―


わたくしに出来ることは何でしょう?

それは今までに霊的治療をさせていただいた患者さんたち

全員に今日の話をすることと

霊的治療から足を洗うことをお伝えすることでした。


全員にアナウンスを終えると朝になっていました。

患者さんたちからいただいたレスポンスは

姐さんの死因に何やら心当たりがあるというものでした。

中でも偶然、姐さんのいる施設へ食料品を搬入している業者の方がいらっしゃいました。

その業者の方の調査と口添えで姐さんの死因が明らかになりました。


姐さんが当店にご来店していただく予定の前夜、

施設スタッフの方と入浴をしていたということでした。


さて、さらに話は続きます。

葬儀を終えた施設の奥さまが血相を変えてわたくしの店舗へいらっしゃいました。

今度はお詫びの言葉とともにです。


先生。ごめんなさい。

先生に霊的治療をしていただくために外出するということで、

あの日、風邪で弱り切ったミサヲを入浴させたことに気付いたんです。


先生に霊的治療をしていただいてすぐに元気になったので

私、前日にお風呂に入れたことをすっかり忘れていたんです。


普段からそもそもあの娘に入浴は禁物でした。


ミサヲは高齢でしたから...。


星になったミサヲ姐さんはいつもわたくしの店舗にいますよ。

鑑定と霊的治療を始めるとそばに来ます。


みなさんも是非、会いにいらして下さい。










毒舌の主は

  この娘です

わたくしでは

  ありません。








                  Rav(La vie!).Hiroaki Ohori





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